飲食店の感染症対策 急がないと取り返しがつかないことに

感染症対策では「こまめ」という言葉は使ってはいけない。
それらは国会答弁での「しっかりと」「検討を奨めて」などと同じぐらいあいまいな言葉だから。

手指の消毒なら、何を使って、いつ、誰が、どのような場面で(頻度で)、何を目的に行っていて、それをどのように担保(チェック)しているかをWebや店頭に掲示しなければやっていないのと同じである。

ある外食チェーンでは
換気について窓を開けることなく1時間に6回転していると店内放送で流していた。
この店ではパティションが常備されていること(飛沫感染対策)、客が退席後にアルコールを使って清拭していること(飛沫感染対策)。
飲食店は人混みのなかでマスクをはずす数少ない場面なので接触感染、飛沫感染はもちろんのこと、空気感染(飛沫核感染)に留意しなければならない。

頭のなかで計算してみた。
この店舗を10メートル×6メートル×3メートル(高さ)とすると
180立方メートルの体積となる。
これが6回転するのであれば1時間に1080立法メートルの換気が行われていることになる。

2020年の夏以降、WHOやCDCなども空気感染を否定しない見解に転じている。
世界的に商業施設での感染症対策の基準はないが
それに準じるものとして
ビル管理法の1人1時間30立法メートルという基準があり
厚生労働省もこれを参考とすることは合理的な考えとしている。

従ってこの店ではスタッフ・来店客合わせて36人の基準を満たす換気を実現していることになる。
店内には空気清浄機は設置されていないが、換気システムが基準を満たしていれば不要という合理的な考えだ。
(換気の速度が早いので空気清浄機の浄化速度が追いつかない、あるいは気流を乱す要因になりかねないという判断だろう。換気が主で空気清浄機は足りない場合の補完に過ぎないという考えに賛同できる)

今度は悪い例である。
近所に評判の良いうどん店があるのだが
コロナ禍ではまったく行っていなかった。
久しぶりに覗くと店内は密な環境のまま店内の換気扇も止まったままで(店主は窓を開けているというが、風の流れがないので無意味)
店内に天ぷらの匂いが充満していた。
(油が充満している環境では空気清浄機は無力。10年フィルターでも1か月持たないだろう)。

見るに見かねて
「このままではいつクラスターが発生してもおかしくない。すぐにできることとして店内のすべての換気扇は24時間止めないよう」と店主に伝えた。
飲食店でクラスターが発生すれば休業(もしくは事実上の廃業)に等しいからだ。

また、アクリルなどの遮蔽板の設置については必要に応じて設置できるようにしておくべきだ。
家族単位など家庭でもマスクをせずに食事をしている状況なら遮蔽板は不要。
(ただし会話は控えてもらう)
友人や知人の4人程度のグループなら遮蔽板は前と隣に必要だろう。
机が狭くなったり遮蔽板を転倒させる怖れはあるが
感染症対策を行わない店には上客は来なくなり
感染症に無知無関心の客だけが集まるようになる。
(これは店の責任)

なお、遮蔽板の高さは地上から1.4メートルが適切という富岳の解析結果がある。
椅子にせよしゃがみ込むにせよ、頭の高さまでは必要という解釈だろう。

店も客も一人ひとりが科学的な根拠に基づいて対策を行えば
都市封鎖や自粛は不要となるし感染症の流行はなくなる。
しかしそれをやらない人たちがいる限り、感染症と経済の両立はできない。
(PCR検査の頻度を増やすという選択肢が意味がないのは擬陽性擬陰性の検査結果の信頼度に加えて数日違えば検出されるされないという問題や陰性と判定された感染者が楽観的な行動に出ること。この点では専門家会議の見解と同じ)

COVID-19だけが感染症対策ではない。
その他の感染症も含めて対策を徹底すれば経済封鎖など不要だ。
しかしそれには飲食店が科学的な知見に基づいて対策を行うことに尽きる。

徳島県では「WITH・コロナ「新生活様式」導入応援助成金」と題して店舗の感染症対策に100%補助を行っている(申請は2020年12月28日まで)。

https://www.pref.tokushima.lg.jp/jigyoshanokata/sangyo/shokogyo/5037554/


飲食店で快適性と安全性を両立させる唯一の方策である全熱交換型の換気については
三菱、パナソニック、ダイキンの主力3メーカーの品切れが続いていること、
工務店に依頼が殺到している。
いまから申請を行っても2021年1月中に工事と支払いが行われなければ助成措置は受けられない。県としても予算と事務処理の関係から延長は行わない。
今年の冬の大流行の兆しはすでに見えており、
対策を行っている店とそうでない店は明暗を分けることとなる。
ぼくは助成措置に左右されず自前でも行うべきと思う。
なぜなら感染症が発生したらお客のみならず経営者が従業員も感染する可能性が高い。
店はいつかは再開できるだろうが、
COVID-19は後遺症が残るとされている感染症であり
自分の身を守るための投資はするべきと思うのだ。

徳島県内の事業所様は感染症対策について電話で相談できるので早めに。
「危機突破!中小企業しっかりサポート事業」
https://www.pref.tokushima.lg.jp/shikkari_support