売上が上がる行動と上がらない行動 何が違うのだろう なぜ必要なのだろう

売上には結びつかないが大切なこともある

専門家を派遣して助言を受けた。

  • 「ここの余白をもう少し詰めたらいいでしょう」(チラシレイアウト)
  • 「窓ガラスの清掃ができていないので楽してきれいになるエトレのスクイジーを使ってみましょう」(店頭)
  • 「Instagramの載せる写真は露出補正を+1/2から1で被写体を明るく撮影してみる」(SNS)

このような売上拡大に向けた助言は間違っていない。
おそらくは誰が見ても正しい方向をめざしていると思う。
けれどそれを実行したところで売上がただちに上がるとは限らない。
専門家の助言は意味がないのか?
そうではないと思う。

お金をかけずにできることは売上にも速効性があることが多い。
詳しくはこちらで。 https://www.odayaka-keiei.com/hansoku-kouka

何かお気づきのことはあるだろうか?
お金をかける必要がないことは事実だけど、お金をかけないから売上が上がったのではない。

売上が上がるためには「わかりやすさ」が必要

複雑なルール、例外の多い販促はわかりにくい。
割引が摘要される、キャンペーンの対象と思ってわざわざ購入したものが
対象外だったと知ったとき、あなたは落胆するだろう。「わざわざそれを求めて来たのに…」。 もしかしてしばらく足が遠のいたり二度と来ない可能性すらある。

わかりやすさとは何か?
自分が対象となっている、自分に呼びかけられていると思えること。つまり自分が抱える問題や解決したいニーズが具体化(顕在化)されてその解決法や成果が思い描けること。そしてすぐに行動に移せる単純なプロセス(複雑なルールなし)。
そうすればすぐに行動に移せる。
つまり問題提起から納得、行動までのループ(理解)が短く具体的な行動ができる場合だ。

ランディングページと呼ばれる特定目的のみの問題提起を解決をめざすWebサイトも考え方は同じである。

とにかく忙しいうえに情報の洪水のなかに身を置いて何を信じて良いのかわからない私たちがお金を払って買い物をするにはすばやく判断ができるわかりやすさが不可欠なのだ。

理念(長期的安定的な利益につながる)と戦略(顧客獲得につながる)

先に挙げた専門家の助言を実行しても、明日から売上が増えるものではなさそうだ。しかし、星の王子様の言葉のように「ほんとうに大切なことは目には見えない」ともいう。人の行動はそれをしようとする気持ち(動機や信念)があって地道に積み重ねていくと、誰もがマネのできない高みに到達することがある。

先日のNHKの番組でご覧になった方も多いと思うが、羽田空港は世界有数の清潔感のある空港として知られている。その裏では清掃会社に勤務する女性の思いがあった。新津春子さんは中国で生まれた日本人だが幼い頃いじめを受けたという。彼女のインタビューや部下への接し方には人に対する限りないやさしさが感じられる。その心を持って科学の知見と数え切れない試行を経験として落とせない汚れを磨き上げていく。美しくなれば自分も気分がいいしお客様もうれしい。有名人となっても現場に立って誇りを持って清掃をされている。高額のヘッドハンティングも辞退して現場に立っておられる。格好いい生き方とはこんな人をいう。

参考Webサイト  https://dot.asahi.com/dot/2016011500028.html

新津さんの粋にまで達すれば他人の心を動かすようになる。使う側も「きれいに使わなきゃ」と思ったり「ありがとうございます」と清掃員に声をかけたり、知らない誰かには親切にしてみようとすら思うようになるかもしれない。

冒頭に挙げたようなこと(売上につながらないように見える地道な行動)は実は大切なこと。それはその会社、場所、店が醸し出す雰囲気、空気感、オーラとでも言おうか。

店頭に打ち水が涼しげだった。
電話での応対がきびきびしていて見えない笑顔を感じた。
取り寄せてみたら包装がていねいで気配りがあった。

これらの行動は顧客が心地よいと感じて定着するために不可欠な雰囲気づくりであり、 それを実現する風土がある、つまりは理念があってそれが浸透している状態である。

まとめると以下のように整理するとわかりやすい。
つまり速効性が上がる販売促進は、理念がしっかりした風土にあって効果が倍増し成果が長続きする。

売上を上げる道具 
→ 自分の強みが発揮できる領域で顧客の顔が見えて課題の解決につながるわかりやすい価値の提案
→ 新規顧客の獲得、短期的な売上増加
につながる

売上を維持すること
→ 目には見えない日々の積み重ねで良い雰囲気づくりを提供できる理念、風土
→ 顧客の維持、安定した経営
につながる

目に見えないところが実は利益を生み出す源となっていること、そしてそれは競合が容易に模倣できないこと。そしてそのことが長期的に安定した経営を続けること(おだやかな経営)。

このように、理念(風土)と価値の提案は密接に結びついていることをお伝えしたかったのです。おわかりいただけましたでしょうか?