中長期的な視点~新たなビジネスモデルをつくる~

コロナ禍が収まった後の長期的な展望(2年~5年後)が同時に必要で、そのためには強み、経営資源を活かして新たなビジネスモデルをつくることです。
人の行き来が制限がある状態でこれまで当然と思っていたことが実は不要なことであったり、何気なく行っていたことが実は本質的な作業(=顧客価値※に結びつく)であったりすることに気付きます。

※顧客価値…経営の目的は顧客を創造することであって利益を創造することではないとする考え方。顧客にとって価値となることを提案、提供し続けることで忠実度の高い良質の顧客層を維持、増加させることができる。そのことが収益にも貢献する。つまりその作業(行動)は顧客にとって価値があるかどうかを問い直すとこれまでとは違って経営が見えてくるのではないだろうか。

顧客価値を高める行動に取り組み、そうでなければ取り組まない。わかっていてもできなかったのがこれまでの日本の企業。効率一辺倒、前例主義、KPI偏重の組織風土からは出てこない発想です。

事業所の原点の理念が出発点となり、顧客価値を行動基準に据え、経営資源をその実現のために編成していく、それがSWOT分析でいうところの強みです。コロナ禍は、本質的な価値(顧客価値)のための行動を行うことが大切であると伝えてくれているようです。結果として生産性を高めることにつながり、ひいては収益に結びつくことを示唆しています。

ここが大切!
→ 新型コロナはそれまでのビジネスモデルを見直すきっかけになる。

  • 人海戦術に頼る生産性の低さからの脱却(人件費と仕事の負荷が見合わない。社員のがんばり神話は美談ではない)
  • すること、しないことの見極め(理念や事業のポジショニング、製品サービスや店舗のコンセプトの見直しが求められる)
  •  価値を高める本質的な理念、戦略、行動への落とし込みが不可欠

行動するとしたらそれが本質的な価値につながるかどうか? 顧客価値を高められるか=信頼してもらえて購入頻度や購入額の大きな顧客を維持、創造できるかです。

経営者、従業員が中心となって外部の助言も採り入れながら新たな事業領域とは何かを考えます。お手本となる事例はありません。本やインターネットなどで語られる成功事例などはすでに顕在化したニーズへの対応例です。今後探すべきは、これまで捉えられていない顧客ニーズです。

顧客アンケートや市場のトレンドからはおそらく見えてきません。なぜなら顧客自身も気付いていない可能性があるからです。では、どうずれば目に見えない潜在ニーズが見えるようになるか。

それは、一定のグループで特定の場面で現れる人間の行動を洞察することにヒントがあります。人間が無意識で行動していることはウソがない心の衝動を表します。それは本人も気付いていません。こんなことが問題でこんなことを求めていた、まさに図星と思うようなビジネスがここ10年で世界的なビジネスになりました。それにはそのためのプラットフォーム(AWS)が前提となっています。

その動機を抽出するため等身大の市場でささやかな実験を行います。いわゆる試行的な提案などテストマーケティングです。

コロナ禍がもたらすのは経営危機ですが、あぶり出しているのは経営機会ではないでしょうか。少なくともコロナがなければ見えなかった顧客の心の声、隠れたホンネ、いわゆる潜在ニーズという金脈です。そこに自社ができること(言い換えれば強み)を重ねることが新たな事業機会(市場ポジショニング)となりはしないでしょうか?

短期的な出血に対応しながら潜在需要の方向性を見極めて種まきを行い市場に参入して成長させるには少なくとも3年は必要。言い換えればコロナ禍の真っ直中の今こそ、新たなビジネスモデルの探索(顧客行動の洞察に基づく新たな価値提案の可能性を探る)です。

コロナ禍で大変な時期ですが、短期的な対策、長期的な対策も含めてサポートいたします。お問い合わせはこちらです。

コロナ禍の経営危機を乗り切る」