COVID-19とワクチン接種、空気感染対策など

ワクチン接種は全体としてリスクを低減させることは間違いない。当初不安に思われたmRNA型での治験も悪くない結果となっている。人類の流行を防ぐ観点からは接種は望ましいと理解できる。
その一方でワクチン接種後の副反応が原因で亡くなった方は相当数に上がるが、因果関係をたどるのが困難なこともあって公表されている数字の根拠が不明である。しかし他のワクチンと比較してリスクが高いのは間違いない(持病があって基礎体力のない人は打つのもリスク、打たないのもリスクである)。

うちでは家族・親族(80代もいる)に向けてMLを構築して(LINEなどSNSを使わないのはリスク管理のため。案の定個人情報保護での問題が起きた)信頼できる情報を随時提供している。その結果を捉えて打つか打たないかの判断を各自に任せている。
(ぼく自身は企業や商店におけるCOVID-19を含めその他の感染症対策を四国各地でこの1年間啓発を行っているため、外国の文献をはじめ専門文献に目を通すようにしている)

現時点では、家族・親族の間で接種した人間はいない。打つ予定の者もいるが、まだ接種券が送られてきていない。打たないと決めている者もいるが、外出を止めて買い物なども誰かに頼むという姿勢である。外から持ちこまれたものには対策を行ったあとで触れるようにするなど、打たない者も感染症対策は万全に行うとしている。

このように各自の判断に任せて強制しないのには理由がある。全体としてワクチン接種は効果的というのは疑いないが、個々の事情に照らせばそうとはいえない。つまりメリットとリスクの配分、リスク回避の可能性がそれぞれのライフスタイルや立場、家族などとの関係性で異なるためである。ゆえに客観的な情報を提供して本人の意志で未来を選ぶこととなった。

いまぼくが使っているマスクは2019年12月に武漢で死者が出る前に購入していたストックである。以前から感染症対策としてできうることは行っているし、家族親族にいち早く携帯用のアルコールスプレー(中味はパストリーゼ77)を配っている。出張の多い甥は仕事先で外食をしないなど徹底した対策を取っている。買い物から帰ると購入した商品を水洗い、アルコール清拭のいずれかの措置を取ってから冷蔵庫や食糧保管庫に入れている。ぼくは外から戻ると鼻うがいを毎回行っているが、これは空気感染にも有効と考えている。

コロナの3つの感染経路のうち、接触感染、飛沫感染はマスクとアルコールでの減菌により容易に防げる(飲食店においては遮蔽板)。問題は感染力の強い変異株などへの対策、とりわけ空気感染への対応が鍵となる。
これについては施設や店舗でファンによる強制換気(窓開けや換気扇のみでは効果が期待できない)と補助的な空気清浄機の使用が対策となる。
ところがほとんどの飲食店では対策が十分でないと感じる。国、県などの補助金を活用しても科学的な根拠に基づく対策はほとんどできていないのが実情。機器導入の前に事前相談を受けるしくみにできないか、そのかわり飲食店がつくる申請書は簡略化できないかと考えているが、それも相談員のスキルと人数という人的資源の質と量の問題に直面する。ぼくもこの1年程度は対策のできていると考える店において3~4回しか外食を行っておらず、ほかは弁当持参である。

→ 飲食店のとるべき対策の考察はこちら https://www.odayaka-keiei.com/covid19-for-inshokuten

気になったのは補助金で空気清浄機能の付いたエアコンを導入しているが、これは感染対策にほとんど意味がない(現実的な空間での実証がなされていない)。また、換気機能の備わったエアコン、例えば、ダイキンの「うるさらエックス」を見ると29畳用の機種でも換気(正確には吸気だが)能力は32立米/時間にとどまる。

https://www.daikinaircon.com/roomaircon/products/r_series/index.html

これでは人間が1人程度の換気能力しかないことを意味する。本質的には全熱交換器の導入が不可欠である(しかもエアコンや高価な空気清浄機よりも安い)。

COVID-19を防ぐための換気の基準は定量的には示されていないが、少なくとも1人あたり30立米/時間以上(ビル管理法での一般的な換気基準)と考えられ、さらに上をめざすことが望ましい。このことは環境省の高機能換気設備等の導入支援事業からも読み取れる。

全熱交換器導入を主に、その補助としてHEPAフィルターの付いた空気清浄機を汚染地区(空気が滞留しやすい場所)に置くのが適切な運用だろう。なお、空気清浄機にイオン(オゾン)の発生装置については連続運転を避けたほうが人体への影響上は望ましい(最初から付いていない機種を購入するのも方策だが、マーケティング上の理由からかかつて三菱で売られていたような純粋空気清浄機はほとんど見かけなくなった)。

いずれにせよ、感染対策をこの1年をセミナー開催や個別訪問による相談対応で支援を行ってきたが、焼け石に水の感がある。少なくともこのブログの記事をご参考に少し勉強されて的確な対策を取っていただくことが顧客と店側の安全を守る、ひいては経営を維持するのに必要と考える。