コロナ禍での生き残りとコロナ収束後を見据えて

(1)現業のまま感染症対策の徹底(すぐにできること)

  • まずは感染症対策を徹底的に実施(外部の意見も取り入れて自己満足に終わらないよう)。
  • 感染症対策を行っていることを訴求(紙媒体、インターネット)。

対策を行うことと、それを訴求することが基本の対応です。

(2)感染症対策の革新(現業のまま行動変化で対応)

  • レイアウトや間仕切りの増設、変更と空調や換気の刷新
  • 予約中心の運営に切り替えて来客対応を分散化させるしくみ
  • 音声や映像を駆使しして間仕切りして顧客対応(顧客スペースは万全の感染対策で)
  • Web会議を導入して顧客との面談の方法の確立(現時点ではセキュリティや接続の安定度、汎用性で問題があるなど決定的なWeb会議のサービスは見当たらない)

(参考)自社(自分)の強みを把握する(外部の視点必要)
まずは現在の強み(顧客がわざわざお金を払ってくれる利益の源泉となる要素)を自覚しよう。
このとき自己評価を間違えないこと。
自分が推したい(強みと思っている)ことと顧客が評価していることが違う場合がある。
例えば、あるタオルの産地は機能性や安全性を訴求していたが顧客は耐久性があることなどを評価するなど(例示)。

  • 飲食店であればなにが評価されているのか?
  • 店内飲食以外の場面での提案(誰のどんな場面でどんな役に立つか?)は可能か?
  • それは弁当、惣菜のかたちで提供可能か?
  • メニューは食中毒対策への配慮や可搬性(こぼれない)が求められるが、対応可能か?
  • その場合飲食用の厨房レイアウトのままで対応可能か?
  • 営業時間はそれにどう対応させるか?
  • 異なる食材の調達が必要な場合もある。

(3)業態の転換

コロナ禍は1年~2年は続くというのが現時点での予測。
ならば業態を思い切って転換することを視野に入れるべきかもしれません。

飲食店であれば、宅配専門店、テイクアウト専門店にコンセプトを変更(=施設の改装、運営の変更)するなど2年は収まらないと考えられるコロナ禍へぶれずに対応していく考え方です。

対面販売、面談が不可欠の業種であれば、それに代わる方策を考えます。
(ただちにインターネット通販やWeb会議に転換する前にできることがあるはず)

  • 店頭に商品の写真を並べて接触が起きないように顧客と意思疎通をしながら販売を行う方法。

個人の事業所であればまったく異なる分野であっても構いません。
コロナ禍でも欠かせない感染症対策へのサポートや食品の生産、コロナ禍で起こる心身の不調を支えるサービスなどを手伝うことなどです。とにかくいまは生き延びることです。

(参考)国がベーシックインカムで一人ひとりを支える
中小企業・小規模事業者がコロナ禍に備えるために無収入の期間が生じても生きていけるためにベーシックインカムは不可欠。手続きが複雑なまとまった一時金ではなく毎月一定額を一人ひとりに給付することで安心感が生まれる。コロナ禍を社会の変革を促す好機と捉えることも可能。

(4)コロナ禍にあまり影響を受けない事業所の社会貢献

幸いにもコロナ禍で影響を受けていない事業所はただ存在するだけではなく、社会貢献を果たすことが地域や従業員の士気にも影響するでしょう。

社内でマスクを生産して地域に配布するなどもその一貫です。

(5)コロナ禍をきっかけにこれまで見えなかった潜在的な価値やリスクをあぶり出す

これまで当たり前と思われていたことが不要であったり、これまで軽視されていたことが重要であったりすることが見えてくるはず。

■必要と考えられていたが実際は不要、もしくは生産性を下げていたこと(例示)

  • 朝の朝礼、社長の訓示、入社式、辞令交付式(形式的で無意味)
  • 営業会議、成果発表会議(つじつま合わせの資料づくりや言い訳、生産性を下げる元凶)
  • ワンチーム的な雰囲気の醸成(若い人には精神的な負担)
  • 押印による承認(時間と資源のムダ)

■これまで軽視されてきたことだが本質的な大切なこと(例示)

・社長の訓示よりも理念を尊重する、理念への共感がある風土づくり
→ そのことが理念を具現化するわかりやすい企業として人材確保のアピールや離職率の低下、ブランド力の向上につながる。決して高い給与を提示しているとは思えない地方の企業であっても世界観が明確で憧れを感じるほどで、人材募集に応募が殺到するのはぶれない価値感と明確なメッセージを持っている(モンベル、六花亭製菓など)。

・営業会議よりは非公式のアイデアの交換や助言を求める風土
→ 困ったことは知っている人に聴く、質問する、助言をもらうなど組織の壁が立ちはだからない風土(形式的なフリーアドレスやスタンディングデスクの設置ではなくもっと精神的に踏みこむ)

(6)コロナ禍を生き抜いて次の展開を見据える

形式的で意味がなかったことを見直し、本質的なことへ思いを巡らすと、これまで効率的と思っていたことがむしろ成果につながらず生産性を下げる行為であったことに気付くはず。

また、そこまでやる必要がないと考えられていたことが顧客満足度(顧客の価値を充足することで顧客価値の増大)につながることが見えてくるはず。
まさにコロナ禍は日本の企業が失われた30年を過ごす要因を洗い出して次のステップに移行できる機会でもあるでしょう。

本気でやりたい事業所様は変革を応援しますよ。